ジェロ/カバーズ

■カバーズ ジェロ
遂に出たジェロによる演歌/歌謡曲カバー盤。個人的には初シングルがそんなに・・・・・・だったので、まさに待ちに待った感のある1枚。
世代によるところも大きいのだろうが耳馴染みのあるナンバーは「氷雨」「釜山港へ帰れ」「さらば恋人」くらいで、よくあるヒット曲オンパレードよりも新鮮な選曲に思えた。そういう意味ではここに収められた曲は「ジェロの持ち歌」として今後も歌われていくことになるんだろう。自作自演が主流となって久しい大衆音楽の世界に久々に現れた「大物シンガー」として、選らんだ曲も、そしてジェロ自身のパフォーマンスも、完璧に近い気がする。2008年の今、聴いておくべきCDですな。
SOIL & “PIMP” SESSIONSとコラボした「君恋し」。ジャズと歌謡曲のクロスオーバーとしてはエゴ・ラッピンを彷彿とさせたりもするが、変に斜に構えていないぶん素直に耳に響く。いや、エゴ・ラッピンも大好きですが、やっぱり日本人が日本の音楽を演るのとは距離感が違うなということです。
「本牧メルヘン」は、昨年亡くなった阿久悠が昭和47年に書いた傑作。ああ、阿久先生に、このジェロの歌を聴かせたかったなあ・・・。十だか百だか千だか、知らねーけど、死んだら風になるなんて歌が流行りましたが、本牧で死んだ娘は鴎になるんです。風は吹いたらしまいだけど、鴎は風に舞うんですよ。ジェロは“和製ブルース”も上手に乗りこなすところが、やはり素晴らしい。“ジョニーもスミスも”をちゃんと和製英語で発音しているのは・・・偏見だといわれようが・・・特筆すべき。で、米黒人のジェロと米白人の“偉大なる”ヘビィ・メタル・ギタリスト(exメガデス)マーティ・フリードマンによる韓国歌謡、「釜山港へ帰れ」。マーティのギターは単なる伴奏ではなく、ジェロと競って、歌っているんです。この“外人による演歌”から、突きつけられるものに、なんだか頭を垂れつつ、ただただ聴き惚れております。言ってもいーですか。言っちゃうぞ、バカヤロー。音楽は国境も民族も越えて、誰かの胸を撃つ、んです!!
そして、「さらば恋人」。演歌ではないこの曲をここに持ってきた、どなたか、アンタ、素敵すぎますよ! 故郷を離れて演歌歌手をやっているジェロが、切々と歌うこれは、ヤバすぎます!
いやあ、ジェロ。ぼくが言うまでもなく、本腰入れて、この国で、歌手やってくつもりなんでしょうけど、とはいえ、移り気なこの国の大衆は明日ソッポを向くかもしれないわけで・・・でも、少なくともオイラは期待してるよ、ずっと。ジェロ、カッコいいじゃん!!
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