2008/10/17

禁煙バトルロワイヤル


08720463
禁煙バトルロワイヤル 太田光・奥仲哲弥(集英社新書)

帯によると「ヘビースモーカーのお笑い芸人と最強の禁煙医師が大激論!!」という内容。
おもしろい本でした。一気に読んでしまいました。で、読みながら、いろいろ思ったことを、つらつら書きとめておきますね。

ぼくはタバコを吸います。ほぼ1日1箱ペースでマルボロを吸ってます。日常的に吸うようになったのは18才の頃なんで、20年ほど吸い続けていることになりますか。でも、ちょっとこだわりたいのは、ぼくは「タバコを吸う人」、「タバコを吸っている人」であることに間違いはないのだけれど、「喫煙者」といわれることにはかなり抵抗があったりします。そもそも、なんであれカテゴライズされることがとても嫌いという性格傾向が多分にあることを自覚してはいますが、それでも日本国民だったり東京都民だったり会社員だったり男性だったり人間だったり(笑)、することにはほとんど抵抗がないのに対して、とりわけ「喫煙者」というくくりでくくられるのは、なんか的外れだなあ、としか感じないんですよね。タバコを吸う/吸っているという具体的行為以外に、「喫煙者」をカテゴライズできる共通の要素なんてありますか? まあ、単なる便宜上の呼称にそんなにこだわることもないのかもしれませんけど、まずそこはハッキリさせておきたいです。意外とこれ、「タバコ問題」を考える上で大きなことだと、実は思っているので。

太田 (前略)でも、ふだんの生活の中で、それほどタバコにこだわって生きているわけじゃない。生きているということは、ほかに要素がいろいろとあるじゃないですか。―66p

たとえばぼくがどういう人間なのか、属性やクセ、環境などから「ぼくがぼくである要素ランキング」なんてのを作るとして、タバコを吸う行為はおそらくベスト30にも入らないだろうと思う(「酒を飲む」は、まあ、ベスト5以内確実だけどw)。
だからね、しつこく何が言いたいかというと、
「タバコを吸う人」=「喫煙者」vs「タバコを吸わない人」=「嫌煙家」
という図式って、ホントに成り立ってんの?、ということです。もしかしたら「嫌煙家」ではない「タバコを吸わない人」の方がイメージしやすいかもしれないですね。でも、だったら、その逆もそういうことなんですよ。わかって(笑)
ネット上も含め、「タバコ問題」バトルで、どうしても「喫煙者」の方の意見や理論の説得力が劣っているのは、つまりモチベーションの違い。「タバコ問題」を何よりも高いプライオリティで考えている「嫌煙家」という方はおそらく一定数以上いるだろうことに比べて、タバコを吸うことが自分自身のアイデンティティの中でトップにある方というのは・・・いないこともないだろうけど・・・圧倒的に少ないと思います。だから議論は噛み合わないし、分の悪い「喫煙者」はストレス感じてタバコの量が増えて、煙を感知した「嫌煙家」のストレスがさらにたまる・・・と(笑)。ああ、バカバカしい。そして人間らしい(^^;

太田 法律で禁じるんだったら、それに従いますし、タバコなんて僕にとって大したことじゃないんです。でも楽しいですよ。タバコを吸うのは楽しいけど、それほど重要な問題じゃないんでね―95p

「タバコ問題」を解決する特効薬は、タバコを法律で禁止すること。これに尽きるんじゃないでしょうか。ぼくも法律で禁止されるんだったら、吸いません・・・いや、少なくとも人目のあるところでは吸いません(笑) いろんな理由でタバコが嫌いな人も、「喫煙者」の個別撃破をするよりも、その方が効果的だと思うでしょ。だのに、なぜだか神奈川県の条例の話みたいに「吸うな」という方向での規制ばかりが提案されるという・・・なんだそりゃ。「吸わせない」のにもっとも効果的なのは「売らない/売っちゃいけない/吸ったら逮捕される」ということなのは、ちょっと考えりゃわかりそうなもんなのに、神奈川県内のタバコ販売を規制するという話にはならずに、「どこでもいつでもとにかく吸っちゃ駄目」っていう極端な意見を巡って喧々諤々・・・って、みんなアホなんですか、いやマジで! タスポなんつうのもバカバカしいことこの上ないですな。だって「未成年者が自動販売機で手軽にタバコを購入する」ことが問題なんであれば、これまた解決方法は簡単。タバコの自販機をなくせばいいじゃんか。現にタスポを持っていない、端から作る気もサラサラないぼくはコンビニやキオスク、タバコ屋さんを利用していて、何にも困っていないもん。いらねーよ、タバコの自販機なんて、と、「タバコを1日1箱吸う人」であるぼくだってそう思っているんだから、ホントのホントにいらないんだよ。“誰”にとって必要なんですかねえ、タバコの自販機???

奥仲 そう、太田さんがおっしゃるように、タバコを法律で禁じるなんてできっこないんです。やめられない。結局はお金の問題なんです。税金です。―118p

タバコを1箱1000円にしようなんて話もありますが、それに賛成する国民っていう奴ががいるのが信じられないっす。もし、その人が消費税の値上げにも大賛成、なんだったら、わからなくもないですけどねえ。でも積極的に全面的に税金の値上げに賛成する民なんていうのは、人類史上の不思議というか奇跡というか・・・(笑)、古今東西の為政者にとっては“神様”みたいな人たちですな。ちょっと嫌味ったらしい文章を書きましたけど、いろんな理由でタバコが嫌いな人が国に求めることは「タバコを法律で禁止」することであって、タバコの税率を上げることじゃないでしょーに。税率上げれば上げるほど、国にとってタバコが大事な税収元になっちゃって、「タバコ根絶」なんて先送りの先送りにされちゃいますぜ。
いつも思うんだけど、「タバコ吸わない人」と「タバコ吸う人」が当事者同士でバトル(言い合い)してるのって(つい先日も近所の公共施設で目撃しました。一応「いい加減にしなさい」と怒鳴ってやりましたw)、ものごとの本質とは明後日の方向で、ただただ“普通の人”同士がいがみあわされているのかなあって感じて、すごく悲しいんですよね。

奥仲 (前略)今まで出版された禁煙本も何冊か読みましたが、宗教本を読んでいるみたいでなんの説得力もないんですよ。なんとかして相手をだまくらかして、自分の世界へ道連れにして、洗脳してタバコを吸わせないという本ばっかりなんですね。―168p

そういえば、ぼくも「禁煙セラピー」という本を自発的に購入したことあります。いやあ、“おもしろい”本だなあ、と思って何度も読み返しました・・・タバコ吸いながら(笑) 結局、それ書いたアラン・カーさんだったかな、その人って同じ体裁でダイエット本とか禁酒本とか書いてんだよね。自分のあみ出した「洗脳方法」でベストセラーっすか。「タバコ問題」なんて関係ねーじゃんか! そのプロセスでタバコやめられて、酒やめられて、ダイエットできるんならば、ついでにセックスやオナニーや労働なんかもやめさせられるかも・・・オウムと何が違うんだか。
税収だけじゃなく、こういう「禁煙ビジネス」って世界中でどんくらい収益上げてるんだろうね? ついでにいえばエコなんかもそうだけど、“良心的”な人々から金巻き上げるのって気持ちいーんだろうな、脳内麻薬がドバドバでちゃうくらいに(^^;
ぼくは、んなことに関わりたくないから、一服してクールダウンしようっと。

まあ、まだまだいろいろ思うことありますが、とりあえず今回はここまで。いやあ、いい本だった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/02/29

死刑

Shikei
死刑 森達也(朝日出版社)

ぼくはごくごく単純にいえば死刑廃止派だ。その理由には大きなものも小さなものも沢山あるが、煎じ詰めれば国家が殺人行為を悪としているのに自らは殺人をするというシステムそのものへの嫌悪ということになるのかな。
死刑を容認するという論理と、よくある「どうして人は人を殺してはいけないの?」という疑問への解答(なんてものがあるとして)とは、どうにも両立しないように思える。ちなみに現状でのその質問に対してのぼくの回答はこうだ。
「人は人を殺したくないものだから」
って、まあ、情緒的というかお花畑的?、性善説的でもあり、かつぼくが知っている範囲での人類の歴史からも導き出し辛い意見だろうなあ、とは我ながら思う。でも、他人を殺して得すること・・・二次的なことではなく、殺人行為そのもので誰かが得することなんてあるだろうか。もちろん人間の営みは損得勘定のみで行われているわけではないし、ぼくにも誰にも備わっている感情という奴が常にロジカルだったり理性的だったり合理的で整合性がある行為を指し示すわけでもないだろうこともわかっている。それでも、もし人が欲得や嫉妬、憎悪や苛立ちのままに人を殺すことを肯定する(積極的ではないにしろ)のならば、今ぼくらが、まあ一応、平和に安全に暮らせている社会で殺人行為が違法とされているのはなぜだろう。ぼくは、その現実の一端に「人は人を殺したくないものだから」という要素が貢献しているように考えられてならない。
で、話を死刑へと戻すと「人が人を殺すのはご法度」の世の中に、合法的に人を殺すシステムがあるのは、やっぱり矛盾だと思えてならないのです。先に「国家が」と書きましたが、国家というのはあくまでも観念的集合体であって、死刑を判断したり決定したり執行するのは人なんですよね。「人が人を殺す」という言葉の上では、殺人と死刑は同じじゃないかと、そう今のところのぼくは思います。

で、本の感想にうつる前にもう一つだけ。
「被害者の気持ちを考えろ」
というこの手の話題には必ず持ち上がる意見へのぼくのアンサーも。
「もしぼくの身近な誰かが誰かに殺されたら」
ぼくは間違いなく殺したその野郎のことは恨みます。憎みます。殺してやりたい。懲らしめてやりたい。殺された人の無念を痛みを怒りを数十倍に増幅し、そいつを「生まれてきたことを後悔するくらい」のどん底に突き落とした上でこの世から消滅させてやりたい。と、犯罪被害者ではない今はそう思いますが、いざその立場になったときに、本当にどう感じるかは、正直言うとわからないです。「被害者の気持ちを考えろ」という意見に一理があるとすれば、「加害者の気持ちを考えろ」も「死刑執行人の気持ちを考えろ」も「殺人事件を報道するマスコミの気持ちを考えろ」も「事件を捜査・立件する警察官の気持ちも考えろ」も同じだけの一理がありますよ。なのでぼくは、わからない人の気持ちをわかったように代弁する・・・しかも人の生死がかかった事柄について・・・のは不遜だと思えるんですよね。もちろんだから口をつぐむべきだと言いたいんじゃなくて、「わからない人の気持ち」に沿って自分の意見を言うんではなく、他人にはわからない(かもしれない)自分という人の気持ちや思いを拙くても言葉にして語ることからしか、はじまんねえんじゃないかな、と。人の気持ちを思いやることは大切です。人の立場に立ってものを考えることも重要です。でもそれは究極的には人(他人)の気持ちはわからないからこそ必要な姿勢なのであって、ことを単純化するための手段として、わかりもしない「人の気持ち」を錦の御旗にしてはならないと、強く思います。・・・アンサーになってないですね。ようは「わかりません」とポツリ答えて少し俯く、というのが現時点でのぼくのアンサーになるんでしょう、きっと。

ということで、やっと本の感想です。
森達也の他の幾つかの著作と同じように、これも取材を進める過程を描写していくスタイルで書かれています。本人曰く「死刑を巡るロード・ムービィ」。余談も含めて取材途中の空気をパッケージするようなこのスタイルは著者が映像媒体出身者だからでしょう。ぼくにはとても読み進めやすいスタイルですが、まだるっこしく、もしくは曖昧に感じる方には向いていない構成かもしれませんね。この辺りは好みの問題かな。

一応、上記の文章はこの本を読む前の死刑に関してのぼくのスタンスを書いたつもりなんですが、読了後に書いたため、この本からの影響も拭えてはいませんね。森達也のスタンスも「どちらかというと死刑廃止だけれど、その明確な理由は今一つ自分の中には無い気がする」といったところからスタートしています。まったく同じでは無いけれどぼくとそう遠くはないところだ。なので、この本の辿る過程が読んでいるぼくと重なる気がしました。

まず、ぼくらはとにかく死刑について、知らないことが多過ぎる。よく知らないことは死刑の他にも沢山あってそれら全てに精通する必要はないかもしれないし、物理的にも難しい。しかし死刑という制度を存続させているのは、主権者である日本国民、すなわちぼくやあなたなのだから、人の命を奪うシステムについて知るべきことを知るというのは、沢山の知らない事柄の中でも優先順位は低くないと思う。ただし知ろうとして知れる範囲というのは決して多くはなく、具体的にはこの本の前半から中盤に著者が体験した実例が書いてある。それをどう判断するかが、どう感じるかが、死刑について考える第一歩だろう。

ぼくがこの本のクライマックスだと思ったのは、「光市母子殺害事件」の被害者遺族とのやりとり。デリケートなことでもあり、これを読んだ人の中でも、このやりとりでは不十分だと感じたり適切な取り上げ方ではないと思う人もいるだろう。でも、これでいい。著者とその事件の被害者遺族との距離感こそが現在の日本でのリアリティのある、死刑について考える、ということだと、ぼくは思うから。その被害者遺族(本村洋氏)から著者に宛てた手紙が引用してある箇所は、死刑に賛成な人であろうと反対な人であろうと目を通すべき内容になっています。

とり急ぎ、この本を読んだ感想と現時点での死刑に関しての私見はこんな感じ。
しっかし、この本の中にも所々で出てくるんだけど、加害者や被害者の家族のところに手紙や電話で「死ね」とかなんとか恫喝する連中ってのはなんなんだろうね。その(無駄な)パワーの源が知りたい・・・いや、知りたくない(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/28

ネット右翼ってどんなヤツ?

ネット右翼ってどんなヤツ? [別冊宝島]

書名からもわかるようにこの本は、昨今よく見聞きする「ネット右翼」なる言葉に対応する、人種?団体?キャラクター?ってどんなことを指すの、というトーンでできている。よって「ネット右翼」と「論戦」したり、また「ネット右翼」の主張を展開したり、「ネット」や「右翼」についての深い考察などがされているわけではないガイド本で、そこがおもしろくもあり、食い足りなくもあり・・・。
中でも比較的まとまった内容の記事からしてタイトルは「ネット右翼は幻影か?」となっていて、結局はスルスルと興味深いフックが次々と現れては消えていき、結局は「ネット右翼とは?」の像が結べない内容なのは、「狙い」なのかもしれませんね。

で、ぼくがボンヤリと思っていた「ネット右翼」という存在もまさにそんな感じで、結論から書くと「ネット右翼なんていないんじゃない」と思います。まあ、現実に2ちゃんねるやなんかに「ネット右翼」と呼ばれたり、ときには自称したりする「書き込みをする人たち」はいるわけだけれども、別にその全員が同じ「思想」や「理想」を持っているとも思えません。ネット上での「現象」、「動き」としての「ネット右翼」という総体はあったとしても、「右翼」なんていう大層なもんではないだろうし、ましてやそこに「思想」なんかはありえないという気がしてならないんですよね。本書の一部でも指摘されているように、「嫌韓・嫌中」なんかにしても、所謂「反日運動」に対するリアクションの集積といった部分が大きいわけだし。
あと、「進歩的知識人」やら「民主活動家」、「平和団体」だとか、まあネットでいわれてるところでのサヨクたちの独善的だったり教条的だったりする物言いや行動にウンザリしていたのは、なにも「ネット右翼」や小林よしのりだけでは無いし、そっちを「サヨク」と呼ぶから相対的に「右翼」とされているだけで、本来の右翼思想とは全然別の「単なる大衆の一部」でしかないのが、「ネット右翼」の正体・・・だとぼくには感じられます。

まあ、なんちゅーか、「ネット右翼」がいいとか悪いとかそんなことではなく、そんな奴いねーよ、ってことなんだろうなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/11/26

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day 乙一 (集英社)

Jojobook
【link】JOJO×乙一! ジョジョ4部ノベライズ「ジョジョの奇妙な冒険 ”The Book”」、11月26日発売!!@JOJO

「ジョジョの奇妙な冒険」第4部のノベライズ。一体どういうものになるのか不安だったが(第3部の小説は「読んだ」という記憶しか残っていない^^;)、今、読み終えた直後の感想としては、満足しています。

第4部の舞台といえば、それは勿論、東北地方のM県S市郊外の新興住宅地、杜王町。この小説は、その杜王町におこった、現代日本の何処の町にもおこりうる、若しくはおこっている「事件」を背景にして、「ジョジョ」でしかおこりえない「ストーリー」が語られているという構造になっていて、まずこれが素晴らしい。思えば19世紀のイギリス~20世紀前半のアメリカという異国を舞台にした第1部と第2部、現代(連載当時)の日本からアジアを経てエジプトへ向かう冒険の旅だった第3部に続く「ジョジョの奇妙な冒険」第4部が近未来(連載当時)の日本の地方都市での物語になると知ったときは少々驚いたが、やがてぼくは「奇妙な冒険」が身近なところにおこり得るのだということに気付かされる。その第4部の持つ「サバービア(郊外)文化」を背景にした第4部の醍醐味が、この小説にも見事に反映され、単なる「スタンド・バトル(超能力合戦)」、「キャラクターノベル」ではない奥行きをもたらせていると思う。作中に自嘲気味に「そういうの、同人誌とどこがちがうんだろうな」なんて台詞があったりもするが、それがむしろ余裕にも感じられ、心憎い。

そしてもう一つのポイントは、この小説が「本」であり「小説」でなくてはならない設定となっていること。これからこの本を読む人は、ぼくがそうしたように帯を外してから読み進めることをおすすめする。理由は、読めばわかる(^^)
この「仕掛け」によって、ジョジョの世界がより立体的に楽しめるのは、ジョジョマニアにとってたまらないプレゼントだな。流石、作者もジョジョマニアなだけあってツボを知り尽くしていますね。

と、詳しい内容に触れずに書けるのは、こんなところか。とにかくジョジョファンは買って、読んで損のない内容だと思います!!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/11/12

ユリイカ 「総特集*荒木飛呂彦」

Jojo
『ユリイカ2007年 11月臨時増刊号』総特集*荒木飛呂彦 鋼鉄の魂は走りつづける
【link】ユリイカ 2007年11月臨時増刊号 『総特集*荒木飛呂彦』、11月12日発売!@JOJO

というわけで1冊まるごと荒木特集の雑誌が発売。早速購入してきました。
とりあえず「極私的スタンド事典」と対談の「男たちの奇妙な愛情 !? 『ジョジョの奇妙な冒険』 の平行世界(荒木飛呂彦×斎藤環×金田淳子)」だけ読んだところ。
「スタンド事典」の方は、極私的といいながらも、コンパクトに情報が集約していてなかなかイイ感じ。似たスタンドの表示など、コミックを再読する際などに便利な箇所も。
対談の方は……微妙だなあ(^^;
ぼくは、いわゆる「腐女子」文化にそんなに抵抗が無いつもりだったけれど、それを堂々と前面に出されるとやっぱり違和感がします。批評的に興味深い指摘もありますが、おっさん感覚のベタな「エロ」を女性視点で男性(キャラ)対象に置き換えただけと感じられる辺りは、正直不愉快ですねえ。まあ作者の荒木飛呂彦自身が楽しんで話に加わっているんであれば、大きなお世話かもしれませんけど。それにしても梶原一騎作品からの影響など、もっと突っ込んで知りたかったのでちと残念な内容でした。

まあ、それはそれとして他にも読み応えありそうなコンテンツが並んでいるので、楽しみに読み進めたいと思います!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/10/18

最近読んだ本、読んでる本(07年8月~10月)

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 森下香枝 (朝日新聞社)
週刊誌(週刊朝日だったかな)に取り上げられていたのを見て、読んでみたくなり書店に行ったが、どこも在庫無し。これって売れてるってことなの?それとも部数が少ないってことなの?
半月ほど探して、新宿で1冊だけ残っていたのを発見。無事購入しました。
読んでいると次々と当時の事件(報道)がアタマによみがえります。不謹慎は承知だけど・・・かなり興奮させられましたからねえ。「史上最大の銀行強盗」を導入部とするこの本の構成もなかなかスリリングで良かったです。それにしても“偉大な”事件ですよね、この事件は。

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年 上杉隆(新潮社)
ベストセラーですね。なかなかおもしろくて一気読みしちゃいましたけど、正直書くと食い足りない・・・。
特に後半が淡々としてたかな。続編があるのなら読んでみたい。

サウダージ 垣根涼介(文春文庫)
午前三時のルースター 垣根涼介(文春文庫)
クレイジーヘヴン 垣根涼介(ジョイ・ノベルス)
「ヒートアイランド」の映画もまもなく公開ですね。まんまと嵌ってますよ、垣根涼介(^^; 特に「サウダージ」はいいなあ。ホントに良い意味ですごいファンタジー。それにしてもクレイジーケンバンドの某曲がかかるシーンにはまいった(^^)

粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 城山三郎(文春文庫)
指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく 城山三郎(新潮文庫)
NHK教育でOAされた追悼番組「城山三郎 昭和と格闘した作家」も良かったなあ。

ディープサウスブルース エース・アトキンス(小学館文庫)
いやあ、おもしろかった!かっこよかった!!
主人公が大学教授だけど探偵役っていう、まるでインディ・ジョーンズなのも最高。しかし、シリーズ物だというのに、これとあともう1冊しか翻訳されていないとは・・・むぅ。

ギャングスタ クワン(HIPHOP NOVELS)
ロード・ドッグス クワン(HIPHOP NOVELS)
「ヒップホップ・ノベルズ」というシリーズというかジャンル(?)の小説。
切なさでは「ロード・ドッグス」の方が上だが、エンターテインメント度では「ギャングスタ」の方が断然おもしろい。この話がどこまでリアルなのかは、遠く日本に住むぼくには判断つかないが、それでも共感・理解できるところもあるにはある。だけどあんまりそういう社会時評的な見方をしてもしょうがない気もするかな。それにしても本国ではこういう小説はどれくらい読まれているもんなんでしょうか。

看守眼 横山秀夫(ジョイ・ノベルス)
臨場 横山秀夫(光文社文庫)
この人の小説もおもしろくて好き。ファンです。

力説 長州力という男 長州 力/金沢 克彦 (エンターブレイン)
内容に特筆すべきところは殆どないが、長州節をたっぷりと楽しめる1冊(^^;

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/07/22

最近読んだ本、読んでる本(07年5月~7月)

Kei001
KEI チカーノになった日本人 KEI(三一書房)
アメリカの刑務所に服役していた日本人の手記。刺激的でおもしろいのはもちろんだが、それ以上に「罪と罰」や「(塀の)内と外」などについて考えさせられた。

サンボマスターは世界を変える (ロッキング・オン)
ファンになると、すぐにこういうものにも手を伸ばしてしまうという、相変わらずオッチョコチョイなオイラ(^^;
内容は、ファンとしては楽しかったが、彼らのミラクルな音楽の素晴らしさと比べればまったくたいしたことありません。なんちゅーか、サンボの音楽の良さって、こういう「ロッキング・オン・ジャパン的、日本のロックバンド理解」の枠を越えているからなんだ、っていう気にもなりますな。

江戸東京《奇想》徘徊記 種村季弘(朝日文庫)
そのサンボマスター、山口隆が自身のブログで紹介していた本。元々、種村季弘の著作は好んでちょこちょこ読んでいたが、この本は知らなかった。通勤、移動の合間に少しづつ拾い読みしていくのが楽しい。

都市のトパーズ2007 島田荘司(講談社文庫)
島田荘司得意の日本社会に対するルサンチマン(?)が炸裂! 美しい物語です!!

Heat001
ヒートアイランド 垣根涼介 (文春文庫)
ギャングスター・レッスン 垣根涼介(徳間文庫)
ハードボイルドというよりある意味ファンタジーだと思った。シリーズ化はホントに楽しみ。

第三の時効 横山秀夫 (集英社文庫)
深追い 横山秀夫(新潮文庫)
警察小説。かなりおもしろい。こちらもシリーズ化に期待。

新宿歌舞伎町交番 久保博司(講談社文庫)
こっちは本物のおまわりさんを取り上げたノンフィクション。流石にリアルです。

Shiroyama001
城山三郎の昭和 佐高信(角川文庫)
落日燃ゆ 城山三郎(新潮文庫)
打たれ強く生きる 城山三郎(新潮文庫)
冬の派閥 城山三郎(新潮文庫)
かーなり今更ながら城山三郎ブームです。「落日燃ゆ」は相当ガツーンときました。

二・二六事件―「昭和維新」の思想と行動 高橋正衛(中公新書)
北一輝論 松本健一(講談社学術文庫)
二・二六事件のことをもっとよく知ろうと思う。きっと今の日本と無関係でないから・・・。
Ikki001_1

スローカーブを、もう一球 山際淳司(角川文庫)
野球はベースボールを超えたのか ロバート ホワイティング(ちくまプリマー文庫)
パ・リーグ審判、メジャーに挑戦す 平林岳(光文社新書)
松坂世代 矢崎良一(河出文庫)
野球本はこんな感じ。
そういえばオールスター第1戦は良かったねえ。オール・セントラルのクローザー/ストッパー・メドレー(あえてこう言う!!)は、最高でした。そんなに好きじゃなかったけど落合監督を見直しましたよ!
Matsuzaka001_1


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/05/05

最近読んだ本(07年3月~4月)

ここ2ヶ月くらいに読んだ本をランダムに書いておこう。

世界野球革命―THE SAMURAI WAY OF BASEBALL ロバート・ホワイティング(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
図解 プロ野球「新・勝利の方程式」 「送りバント」と「守備力」が優勝を決める 田端到(講談社+α文庫)
サウスポー・キラー 水原秀策(宝島社文庫)
なはは、読むものも野球づいてます。ホント熱しやすいよなあ、オレ(^^;
ちなみに「世界野球革命」は、そこそこブ厚い本なのにおもしろくてグイグイ読めました。読後に著者が「東京アンダーワールド」の人と知って納得。

東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム 東浩紀・ 北田暁大(NHKブックス)
嗤う日本の「ナショナリズム」 北田暁大(NHKブックス)
タイトルに釣られて「東京から考える」を読んで、北田暁大という人がいることを知り、数年前に出ていた「嗤う日本の「ナショナリズム」」を読んだが、少々期待外れでした。第1章の「ゾンビたちの連合赤軍」は良かったけど、ハナシが80年代になるとどうにもなんともかんとも(^^;
この著者に限らず80年代との距離のとり方って結構ムズかしいんだよなあ、とあらためて思う。

日本論 佐高信×姜尚中(角川文庫)
えっと、どんな内容だったっけと、パラパラめくっていたら最後の20数ページほど読んでいなかったことが判明(笑)。

リッスン ジャズとロックと青春の日々 中山康樹(講談社文庫)
ひとは情熱がなければ生きていけない(勇気凜凜ルリの色) 浅田次郎(講談社文庫)
ハードボイルド・エッグ 萩原浩(双葉文庫)
勝海舟捕物帖 坂口安吾(人物文庫)
新宿歌舞伎町アンダーワールドガイド 李小牧(幻冬舎アウトロー文庫)
法月綸太郎ミステリー塾 国内編 名探偵は何故時代から逃れられないのか 法月綸太郎(講談社)
元アイドル2 吉田豪(ワニマガジン社)

靖国史観―幕末維新という深淵 小島毅(ちくま新書)
長州藩は京都御所に向かって発砲したことを謝罪したか?
薩摩藩は江戸市中に放火したことを謝罪したか?
テロとの闘いを標榜する平成の首相たちは、吉田松陰を頌える前に、東京の板橋駅前にある近藤勇の鎮魂碑の前で頭を垂れるべきだろう。彼はテロリストを取り締まった特殊警察部隊の司令官だったのだ。
(197p)
き、気持ちいい~(^^) 溜飲が下がるとはこのことだ。立川談志も「江戸っ子ってのいうのは、三代続いたとかでなく、御一新のときにどっちにつくかだ」といってたっけ。

1976年のアントニオ猪木 柳澤健(文藝春秋)
数年前に出た「アントニオ猪木の謎」もかなりいい本だったが、著者がプロレスにあまり関心がないため、プロレス周辺の話題はあまりつっこまれていなかった。その点こちらは全面的にプロレス(~格闘技)方面の内容なので、かなり満足度が高い。・・・簡単にいうと、すっげえ、おもしろかった!
個人的にも数多のプロレス本の中で、確実に5本の指に入ると思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/02/28

裁判狂時代-----喜劇の法廷★傍聴記

裁判狂時代-----喜劇の法廷★傍聴記 阿曽山大噴火(河出文庫)
雑誌『創』やnikkansports.comの「阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」」でも読める、裁判傍聴が趣味な大川興業構成員、阿曽山大噴火による裁判コラム集。ぼくも一度だけ経験(傍聴の、ネ^^;)がありますが、裁判はホントにおもしろい(興味深いという意味も込めて)です。なので題材のおもしろさは保証付きで、あくまでも趣味のスタンスを崩さない著者の視点がポイント、かな。そこが「おおっ」と唸らせることもあれば、少々もどかしいことも(取材じゃないので「事件」や「争点」への目配せが足りないと感じる部分がある)。ただし、前人未到のスタンスであることは確かなので、この分野の第一人者(少なくともメジャー・フィールドで)という評価は、この先どんなに「ブーム」が盛り上がっても、彼に注がれるべきでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/08/19

最近読んだ本

「三島由紀夫」とはなにものだったのか 橋本治(新潮文庫)
これはおもしろかった!読んでてゾクゾクしました。
一見ものすごい変化球に見えるけれど、実は渾身のストレートど真ん中豪速球でストライクをとりまくる橋本治の本領発揮の一冊。三島をことさらにムズかしく解釈したり、ようは単にお友だちなことを自慢したりしたいだけの文章にはやたらとお目にかかるけれど、わかりやすくかつわかった気にさせるこんな本はなかなかないでしょう。

不味い! 小泉武夫(新潮文庫)
タイトル通りに著者が出会った古今東西の不味い食べ物について書かれた本。
読む前に考えたのが「美味しいもののことを書かれた本を読むとそれを食べてみたくなる」けれど、果たして「不味いもののことが書かれている本を読んでもそれを食べたくなるのか」ということ。結果は、幾つかのどんなに頼まれても口にしたくないもの(烏とか虫類・・・)を除けば、やはり読んでいると食べたくなりましたよ。
それとこの著者に感心する点は、不味いものには不味いとハッキリ断言して、その理由を脳裏に浮かべつつ、それでも「呑み込んだ」り「あわや七転八倒する思い」をしたり「目をつぶり、涙をこらえ、気を確かに持って、苦痛を感じながらもとにかくがんばって胃袋に収めた」たりと、なんだかんだいってほとんどの食べ物を平らげていることである。不味い、不味いと書きながら、それでも食物と食べることにとても愛情を注いでいることがよくわかる。
だからこそ、ここで不味いとされたものも、どんな味なのか食べて確かめてみたいという気にさせてしまうのかもしれない。

野中広務 差別と権力 魚住昭 (講談社文庫)
読んでいて本当に反吐が出るくらいにえずき、いったん本を閉じた経験はもしかしたらはじめてかもしれない。野中広務が1983年の衆院京都二区の補欠選挙で初当選して以降、国会を舞台に繰り広げられる「権謀術数」の数々の生々しい描写に吐き気がしたのだ。いい年してカマトトぶるのも何だかなと思わなくもないし、世の中のオモテにもウラにもいろんなことがあるというのもそれなりに知っているつもりなんですが・・・。それでもこんな汚えことが、国の行き先や在り方を左右する国会で日常的に行われているというのは、とても嫌な感じだ。
とはいえ、この本の全体やここに書かれている野中という人自身にそう感じたわけではない。とりわけ野中広務の生い立ちの部分や大阪鉄道局時代、地方議員時代には共感できたり、感心したりするエピソードも多い。被差別部落のことは正直に書けば実感としてよくわからないので、最終的にそれがどう作用したのかはピンと来ない。ただ、野中広務という「個性的」な政治家がいたこととこういう本にまとめられたということは、意味があったと思う。
この先の日本の政治がどうなっていくにしろ、ふと振り返ったときに、何か参考になることが書いてある本なような気がしてならない。

世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて 柄谷行人(岩波新書)
NHKの『クローズアップ現代』で“新書ブーム”がとりあげられたときに、柄谷行人がはじめて新書の執筆をしているというシーンがあった。そのとき書かれていたのが本書。
柄谷行人といえば、かつてのニューアカ・スター(!?)の1人。ぼくも高校生のときに“かぶれた”先輩から「読め読め」と薦められ、なんだかよくわからないながらも一生懸命読んだ記憶がある。・・・今回、ひさしぶりにそのときのことを思い出しました・・・つまり、なんだかよくわからないけど意地で最後まで読み通したという・・・(^^;
はっきりいって、なんとか読んだというだけで、中身はあんまり咀嚼できておりません。また読み直さなきゃ(^^;

愛国者は信用できるか 鈴木邦男(講談社現代新書)
鈴木邦男はプロレス、特にUWFブームのころにいろいろ書いていたのを目に留めてから、気にして追っかけている書き手なのだが、これは04年の『公安警察の手口』に続く代表的な著作といえるものになったと思う。ちょっと「愛国心」というコトバがやたらと便利に使い回されているムードもある昨今、方便としてではなくまともに正面から「愛国者」というコトバと概念に斬りこんだ鈴木邦男を、ドン・キホーテにしてはならないと強く感じています。

終わりなき孤独 ジョージ・P・ペレケーノス (ハヤカワ文庫)
曇りなき正義 ジョージ・P・ペレケーノス (ハヤカワ文庫)
魂よ眠れ ジョージ・P・ペレケーノス (ハヤカワ文庫)
黒人探偵デレク・ストレンジを主人公にしたハードボイルド小説のシリーズ。ちょっと店頭では最新刊の『魂よ眠れ』以外は見つけ辛いかもしれないが、なんとしてでも前2作を手に入れて刊行順に読むことをおすすめしたい。
他のシリーズと同様、音楽の使い方が実に巧みで、ドライブ時は60~70年代のソウル・ミュージックをこよなく愛し、自宅ではこっそりと西部劇のサントラ(!)を愛でるストレンジ、ATCQなどのジャズをサンプリングしたモダンなヒップホップ・ファンの若い助手、スプリングスティーンやクラッシュを聴いて気合を入れる白人元警官テリー・クインなど、こうして書いているだけで、わかる人にはそのキャラがアタマに思い浮かぶほどの徹底ぶり。こりゃたまらん。
それと『終わりなき孤独』に登場するWWEマニアの少年、なんて登場人物もいて、彼のことが書かれた件には、ものすごく惹かれてしまったり(^^;
基本的には、現代アメリカを舞台にしたハードボイルド小説ですから辛いエピソードばかりだけど、そこでもがく人々には共感できます。おいらもがんばるよ。

フランス暴動----移民法とラップ・フランセ 陣野俊史(河出書房新社)
昨年のフランス暴動をフランスのラップやラッパーたちを通して読み解いていく好レポート書。
第三章にはフランス暴動との関連は薄いが日本のラッパー志人のインタビューも載っている。ちょっと言っていることが抽象的な気がしてその発言全てには共感できないけれど、フランス暴動を対岸の火事にしないために敢えてこれを挿入した著者の意図は支持したい。

アメリカのヒスパニック=ラティーノ社会を知るための55章 大泉光一、牛島万(明石書店)
アメリカのヒスパニック(ラティーノ)について日本語で詳しく書かれたものはなかなか見つからないので、これはうれしい本ですね。
アフリカ系を上回り米国最大のマイノリティとなったヒスパニック(ラティーノ)系住民。ぼくのようにヒップホップ、R&B、レゲトン、ロックといった大衆音楽やMLB、WWEなどのスポーツ、ロバート・ロドリゲス監督の映画を通して、アメリカにおけるヒスパニック文化~社会への関心が高まっている人も多いと思いますので、本書以外でも同様の本の刊行に期待したいところです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/04/16

日本共産党

■「日本共産党」筆坂秀世(新潮新書)

リンク先の紹介文や帯でのあおりほどは、おどろおどろしくない。暴露本というより、日本共産党への提言書といった感じ。ようするに、一般的な有権者が日本共産党に対して「だろうなあ」と思ってきたことはその通りです、という内容(笑)。
読みやすくわかりやすい文章なので、逆に共産党のことを「なんだかよくわからない」と思っている人が読んで理解するのにも良いかもしれません。

また筆坂氏の共産党へ対する指摘は、ぼくが日ごろ感じてきたことと近いのかも、と感じました。
ぼくは選挙の際に何度か共産党へ投票してきました。その理由としては、「特に地方議会などでの「シャンシャン進行」に対する抗議」の意味だったり、「連立与党への批判票」としてだったり、「どこも入れたいところがないけれど棄権するよりいいか(といっても都知事選などで白票を投じたこともある)」という場合だったりとか。でも、そんなときの開票番組やその後の新聞紙面などで、たとえ大敗しても「反省や責任論」がまったく見られず、状況のせいにしたり敵のせいにしたり、ときには国民のせいにしているとしか思えない発言などもあり、心底ガッカリさせられた嫌な経験が多いんですよねえ。
日本共産党は、俗に日常生活でのトラブル解決にはイチバン頼りになるといわれている、みたいな面で、その政党としての役割を評価できると思っていますが、やはりその反面自らの主張と行動が伴ってない部分あったり本当に解決が迫られている問題が目の前にあるのに天下国家論的な大言壮語をぶっちゃったり(たとえば地方議会とかでは「戦争反対」を訴える前にもっとすることあるんじゃない?)するのが嫌いだったし、非常に残念に感じていました。
本書にはそういった点に関する疑問・批判のほとんどが書かれていて、素直に共感できたのはよかったと思います。
ただし、離党前に同様の指摘をして欲しかったなあ、という気持ちもあり、問題点の整理といった意味でいい本だとは思えるけれど、結局共産党は共産党のままなんだろうなあ(どうせ黙殺するか誹謗中傷するかなんじゃない)と思えてしまう・・・。

そしてまたぼくは選挙前に「入れるとこ(入れたいとこ)、ねえなあ」と悩み続けることでしょう(^^;

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006/04/04

en-taxi No.13

En0132_1
en-taxi No.13(拭桑社)

季刊なので、次号を指折り数えて待つ間がとても長く感じてしまう、今イチバン好きかもしれない雑誌。
今号も立川談春の連載の続きと中山泰樹のマイルス・エッセイが読みたくて、発売日に書店に駆けつけたら表紙が故・橋本真也で「プロレス特集」だったから、うれしいを通り越して唖然!
さらに巻頭カラーで復活(今度はマジで!)大江慎也の対談があったり、ECDの小説が載ってたりと、どうしてオレをこんなに喜ばせるの、というつくり。ただでさえ、CKBギタリスト・小野瀬雅生の食エッセイや「倶楽部亀坪」なんていう素敵連載があるというのに・・・参りましたよ。
一気に読むのが勿体ないので(次号も遠いし)、少しづつ読もう・・・と思ったりもしたいんですが、無理でした。今はあらかた読み終わって、早くも6月下旬を首を長~くして待っています。
ただ、ちょっと心配なのは、次号がリニューアル号との告知が。どの程度のリニューアルなのでしょうか。あまり変わらないでいてくれるとうれしいんだけどなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/08/10

「芸能と差別」の深層

■「「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦和光対談」(ちくま文庫)  

興味深いことが山ほど書いてあってかなりタメになる対談なのですが・・・いかんせん、このお二人に対してぼくの基礎教養の浅さというか基本的な知識が全然足りていないので、理解がおぼつきませんでしたorz
折にふれ再読していって、少しでも理解できる箇所を増やしていこうと思いますが。
ただし、そんなぼくが書くのもおこがましいのですが、歌舞伎や漫才、浪曲などに詳しく触れているのと同じくらい落語にも触れて欲しかったかなあ、と。敢えて避けているのか、お二人の興味の対象ではないのかはわかりませんけども。

で、ぼくに理解できた範囲で、イチバン目から鱗だったのは沖浦氏による永井荷風解釈のところ。大逆事件(幸徳事件)に対する荷風の秘めた思いを紹介する件には、思わず「へぇボタン」。引用されている荷風の文章のなんとカッコのよいことよ!(↓に引用しておきます)
もともと荷風ファンのぼくですが、なんだかさらに好きになってしまいました。早速、沖浦氏が最も評価している「濹東綺譚」の再読を・・・と思ったのですが、手元に無かったや。買いに行かなきゃ。その昔、読んだときには雰囲気以上のものは読みとれていなかったので・・・(恥)


明治四十四年慶応義塾に通勤する頃、わたしはその道すがら折々市ヶ谷の通で囚人馬車が五六台も引続いて日比谷の裁判所の方へ走って行くのを見た。わたしはこれ迄見聞した世上の事件の中で、この折程言うに言われない厭な心持のしたことはなかった。わたしは文学者たる以上この思想問題について黙していてはならない。小説家ゾラはドレフュース事件について正義を叫んだ為め国外に亡命したではないか。然しわたしは世の文学者と共に何も言わなかった。私は何となく良心の苦痛に堪えられぬような気がした。わたしは自ら文学者たる事について甚しき羞恥を感じた。以来わたしは自分の芸術の品位を江戸戯作者のなした程度まで引下げるに如くはないと思った。その頃から私は煙草入れをさげ浮世絵を集め三味線をひきはじめた。わたしは江戸時代の戯作者や浮世絵師が浦賀へ黒船が来ようが桜田御門で大老が暗殺されようが、こんな事は下民の与り知った事ではない―――否とやかく申すのは却って畏れ多い事だと、すまして春本や春画をかいていた其の瞬間の胸中をば呆れるよりは寧ろ尊敬しようと思い立ったのである。かくして大正二年の或日、わたしは山城河岸の路地にいた或女の家で三味線を稽古していた。・・・・・・」(岩波書店版『永井荷風全集』第十四巻)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/08/02

被差別の食卓

■「被差別の食卓」上原義広(新潮新書)

おもしろかった。
被差別部落出身の著者が世界各国の被差別地域の料理(例えばアフロ・アメリカンのソウルフ-ドなど)を食べ歩くという内容。
次々と紹介される工夫と苦渋にあふれた各料理のおもしろさ(一度は喰ってみてえなというものは数知れず)もさることながら、各国の被差別地域といえば、まあそれだけで取材が困難であろうことは容易に想像がつくわけで、そこへ挑む著者のスタンスそれ自体に、こう表現して良いものかどうか少し迷うが、興奮させられた。
ブルガリアやイラクのロマ(所謂ジプシー)のところへ行った際には、「自分は日本のロマだ」と主張して、取材することに成功し、さらには小銭をねだる子どもに同様に主張するとともに「わざわざ訪ねてきた日本のロマからもお金を取ろうというのか!」と叱責する(そしてその子が逆にお金をくれようとする、というその件はかなりグッときた)。彼のいう「インドのカースト制度を共にルーツとするから日本の被差別部落と欧州のロマは同根」なる説の妥当性の成否は、知識の乏しいぼくには判断がつかないけれども、それを堂々と主張し各国の被差別地域に暮らす人々の共感を得るやり方は実にたくましくて、好きだ。話はそれるが、日本のヒップホップ界隈の連中も見習って欲しい。

そして文中にも触れられているが「ソウルフード」と「ソウルミュージック」のソウルは同じもの。アメリカ南部の黒人奴隷が発明したフライドチキンがKFCというチェーン店を通じて世界中で愛されるファーストフードとなったのと、黒人音楽から派生したロックンロールなどのポップミュージックが世界中で愛されていることとの共通点にも、改めて感慨をおぼえた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/05/13

論座 対談「日教組委員長と右翼」

論座6月号(朝日新聞社)
史上初の対談「日教組委員長と右翼」森越康雄×鈴木邦男

「史上初」とかそういううたい文句に弱いので、早速読んでみちゃいましたよ。まあ「右翼」といっても鈴木邦男が相手なわけで、ゴリゴリに自分の主張を押し通すようなタイプではありませんから、対談としてはなんなら和やかな感じ。
しかし一見和やかな中にもお互いの主張は込められていると思ったし、実は今の日本の現状に照らし合わせると「右翼」と「左翼」が共に憂う事柄にはことかかないんだよなあと改めて考えされられましたね。

ぼく自身の中には、「右翼」も「左翼」も矛盾無くちんまりとおさまっているようなもんなんだけどさ、「レッテル貼り」や「仮想敵づくり」が大好きな連中にはホント辟易してしまいます。ウヨもサヨも、たまにはこんな「刺激的」対談でも読んで、アタマの中の「仕切り」の整理をしておくのもいいんじゃないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/05

音楽と意図―ヒットチャート考現学!

■「音楽と意図―ヒットチャート考現学!」ターザン山本!(インフォバーン)

伝説の元「週刊プロレス」編集長、ターザン山本!(この!っていつの間についたんでしょう?)が、
音楽や各アーチストの知識皆無のまま、ヒット曲を聴いてその感想をしゃべったものをまとめた、究極の“一芸”本。

当然、アーチストの格や人気を無視した暴言(そのアーチストのファンにとっては) が連発されるわけで、いくつか例をあげると、

「日常会話の延長線上の、単なるつぶやき。もっと恋愛をしろ!と言いたいよ」 藤木直人『Flower』
「一歩間違えば風俗嬢、というルックスも、リアルがあっていいんだなあ」 大塚愛『さくらんぼ』
「無責任な言葉ばっか使って気取りすぎだ。恥ずかしい!!」 ガガガSP『晩秋』
「こんな若さのかけらもないヤツには、石を投げてやるぞぉ」 氷川きよし『白雲の城』
「自分が女か男かもわかっていないような半端さ。これが君なのか?」 Do As Infinity『本日ハ晴天ナリ』

とまあこんな言いたい放題を垂れ流し放題。ぼくが入れ込んでいるクレイジーケンバンドも「音楽じゃねぇ!!!!」と一刀両断・・・(苦笑)。

しかし、業界内配慮に徹したディスクレビューだのゲラチェックされまくりのアーチスト記事なんかよりも、こっちの方が的を射てる部分も多々あるんじゃないかとも思えてきたりもする・・・かもしれないな。
この「大声」で「断言」するやり方にダマされていく感じこそが、久しく発揮されていなかった「ターザンマジック」の妙味。全盛期の「週プロ」に比べればごくごく薄味だけれど、それを知らない人にはどんな化学変化があるんだろうねえ、とそんなところも興味深く思えたり。

そして、どんなお題でもキチンと「立ってるコトバ」を持ってこられるターザンもやっぱりすごいが、これを読み物としてまとめた編集者の手腕にも大変関心しました。

うん、これは、イイ本です!
ターザンファン(っているのか!?)、ヒット曲ファンのみならず、「最近おもしろい本ないなぁ」なんて言ってるアナタに、是非おすすめしたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/03/15

暗黒館の殺人 /綾辻行人

■「暗黒館の殺人(上)(下)」綾辻行人(講談社ノベルズ)
こういうの好きな人はホンットーに好きなんだろうなあ、という様式やアイテムが満載のミステリー。ぼくも嫌いな方じゃないんで、ヒィヒィいいながら楽しみましたが、それにしても圧倒される量、そしてそれぞれのネタ。
なんでこの作品がそうなったのかは、これが綾辻行人のデビュー作にして出世作、のみならず日本のニューウェーヴミステリーの代表的作品でもある「十角館の殺人」から続く館シリーズの待望の最新作、そして最終作だから、なんでしょうね。
量やネタの豊富さはサービスなんだと解釈すればとりたててあげつらうようなことではないと思います。イジワルくいえば、あの「衝撃のデビュー作」を越えることはもはや不可能なのはわかっていたわけで。日本の純ミステリーブームを支えた館シリーズの完結編なんですから、サービス、サービスのお祭りも、また良し。作品テーマ自体もそうであるように、ノスタルジックに盛り上がることができれば、いいんじゃないでしょうか。

しかし、それにしてもRPGだなあ、とは思いました。これはこの作品の批判というんでもないんですけど、昨今の小説、映画、漫画などで色濃く(DQに代表される)和製RPGぽさを感じさせる作品って多いですよねえ。う~ん、だからどうっていうんじゃないんですけど、作家の側の問題というよりも、「それに慣らされてしまった」読者の側に「セオリー外の物語にはついていけない」っていう現象をひき起こしてたりはしないだろうか、と少々心配です。考えすぎならば、それに越したことはないんですけども。
そういえば館シリーズのRPGってのもありましたね。プレイはしたけどクリアはしてません(^^;

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/03/10

BRUTUS "COFFEE AND CIGARETTES"

ブルータス3月15日号 COFFEE AND CIGARETTES

ジム・ジャームッシュの新作映画に合わせての特集ということだけれど、流石にこのご時世でのタバコ特集というのは、煙草呑みのぼくでも少々驚いた。
とはいえ自虐ネタと開き直りが中心で、タバコ文化を扱うページでも「周りで吸うのはやめてほしいけどね。」と結びに書くコラムがあるくらいで、どうにも分が悪いのは否めない。

まあ、いずれタバコはホントに無くなっちゃうのかもしれないし、ぼくだって意地になって吸ってるわけじゃないから、ふと止めちゃうかもしれないし、あえて強弁してまでタバコを守ろうとは思わないです。
でも例えばこの特集のような「かつてあったタバコ」に関しての記述というか記録はずうっと残しておくべきだし、特に内田樹という方が書いている「もらいタバコ」などの遺習に関してはきちんと留めておくべきことがらだと思う。いつか人類が来た道を後悔したときに参照できるように・・・ね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/11/19

デモクラシーの冒険

■「デモクラシーの冒険」姜尚中、テッサ・モーリス・スズキ(集英社新書)
意外と全体が明るいトーンなのが新鮮といえば新鮮。やはり主な対談場所が豪のハミルトン島というリゾート地なのがそうさせているのでしょうか。
とはいえ、語られている内容は、鬱屈とした重苦しさを感じざるを得ない「今の世界」のことなんだな。昨年12月の対談だというのに既に今秋のブッシュ勝利とその理由を予感させている部分もある。別に予言というほど画期的なものでもなんでもないが、「そう思えちゃう」先の読め方が、姜、テッサ両教授ほどの知識も洞察力もないぼくにだってできちゃう・・・というのがまさに「閉塞状況」なんだよなあ、と少々めげる。

で、印象に残った箇所をいくつかピックアップしようと思うんだけど、今日は時間切れなので、また後日。気になる人はとっとと買って読んでください。政治史、デモクラシー史のお手軽なアンチョコとしても使えます(なんて余計なPRしたってしょうがないか)。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2004/11/11

名無しのヒル

■「名無しのヒル」シェイマス・スミス 鈴木恵=訳(ハヤカワ文庫)
裏カバーから引用すれば「獄中青春小説」だそうです。
ようは「大脱走もの」ともいえるんだけれど、読んでて心がえぐられるようなシチュエーションが満載で、しかもそれが乾いたタッチといういうか「こんなことよくあることだろ」的に書かれているんで、より胸が苦しくなるというかなんというか。
背景にあるのはいわゆるアイルランド問題。多くの日本人と同じく(でしょ?)ぼくもまったく詳しくありません。でも、この本読むにはなんにも知らないというのも悪くないかなと思う。勝手にイギリス軍にテロリストと決めつけられて収容所に送られ、理不尽な暴力(主人公のおばあさんが差し入れに持ってきたお菓子やケーキを看守が目の前で踏みにじるシーンは・・・血も出ないし外傷も生じないけど、痛すぎるよお)や非人間的な扱いを受ける中で、それでも目の前におこる出来事に対してぎりぎりのバンプ(受け身)を取りつづける主人公に共感するには、むしろ政治的背景に疎いくらいの方が強烈な印象を残す気もしました。
読んでて楽しいって小説じゃないけど、タフにしたたかに生きるためのささやかな勇気を感じられるいい小説だと、ぼくは思うな。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2004/11/02

テレビの嘘を見破る

■「テレビの嘘を見破る」今野勉(新潮新書)
これ、ホントに一家に一冊レベルの優れた本です。 少しでも多くの人に読んでほしいなあ。

クリエイターの人、クリエイター志望の人はまず必読だし(出版業界人には、なんならぼくが買ってプレゼントしてあげたっていいほど読んでほしいぞ)、テレビ好きな人、テレビ嫌いな人、テレビをなんとなく見てる(場合によっては「付いてる/付けてる」)だけの人にも強力におすすめ。

そしてあと、プロレスファン!
プロレスファンはこれ読んで元気になってください。というのは、プロレスに「仕組み」があるというのを、どうしても今までのぼくらは「八百長」なる言葉の持つダークなイメージを払拭できないまま、消極的に語ることしかできなかったわけだけど、この本でかかれているテレビの話はそのまんまプロレスの話にもスライドできると思うし、「つくり手は目的のために最善の方法をとるべきだ」(手元に本がないためうろおぼえ引用です。ゴメンナサイ)なんて言葉は、なんだか元気なさそうなプロレス業界の人々が勇気と誇りを持って宣言する根拠にもなりうると思います。

ま、そんなこんなで大絶賛の本なんですが、一点だけ大不満。それはこの扇情的なタイトルが「ああまたいつものテレビ批判本ね」と思わせてしまい、実際に内容を読まないで評価する(なんてバカが結構いるからなあ)ような連中に、なんか言われちゃう隙をつくってしまったというのは、かなり残念です。

え、で、これだけだとプロレス本かと思われちゃうので(笑)、他のblogの感想文もリンクしておきます。詳しくはそちらで(^^;

>>テレビの嘘を見破る from:Passion For The Future

>>本の紹介「テレビの嘘を見破る」 from:インターネット放送徒然草)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/10/05

生首に聞いてみろ/法月綸太郎

■「生首に聞いてみろ」法月綸太郎(角川書店)
ミステリー作家って「ミステリーとはこういうもの」と定義して書いている多作の人と「ミステリーって・・・なんだろう」と常に自問自答しながら書いている(結果として)寡作の人とにタイプが別れる、ような気がする。
10年ぶりの長編「生首に聞いてみろ」を出した法月綸太郎は当然、後者ですね。

あいかわらずの、1行ごとになかなか進まないほどいろいろ考えちゃってんだろうなあという文章なのが、いかにも法月らしくって、おもしろい。とはいっても難解だったり奇をてらったりのトリッキーな文章というわけではなく、ようはミステリーファンで評論家でもある自分の作家としての生理と読者としての理想の狭間