禁煙バトルロワイヤル

■禁煙バトルロワイヤル 太田光・奥仲哲弥(集英社新書)
帯によると「ヘビースモーカーのお笑い芸人と最強の禁煙医師が大激論!!」という内容。
おもしろい本でした。一気に読んでしまいました。で、読みながら、いろいろ思ったことを、つらつら書きとめておきますね。
ぼくはタバコを吸います。ほぼ1日1箱ペースでマルボロを吸ってます。日常的に吸うようになったのは18才の頃なんで、20年ほど吸い続けていることになりますか。でも、ちょっとこだわりたいのは、ぼくは「タバコを吸う人」、「タバコを吸っている人」であることに間違いはないのだけれど、「喫煙者」といわれることにはかなり抵抗があったりします。そもそも、なんであれカテゴライズされることがとても嫌いという性格傾向が多分にあることを自覚してはいますが、それでも日本国民だったり東京都民だったり会社員だったり男性だったり人間だったり(笑)、することにはほとんど抵抗がないのに対して、とりわけ「喫煙者」というくくりでくくられるのは、なんか的外れだなあ、としか感じないんですよね。タバコを吸う/吸っているという具体的行為以外に、「喫煙者」をカテゴライズできる共通の要素なんてありますか? まあ、単なる便宜上の呼称にそんなにこだわることもないのかもしれませんけど、まずそこはハッキリさせておきたいです。意外とこれ、「タバコ問題」を考える上で大きなことだと、実は思っているので。
太田 (前略)でも、ふだんの生活の中で、それほどタバコにこだわって生きているわけじゃない。生きているということは、ほかに要素がいろいろとあるじゃないですか。―66p
たとえばぼくがどういう人間なのか、属性やクセ、環境などから「ぼくがぼくである要素ランキング」なんてのを作るとして、タバコを吸う行為はおそらくベスト30にも入らないだろうと思う(「酒を飲む」は、まあ、ベスト5以内確実だけどw)。
だからね、しつこく何が言いたいかというと、
「タバコを吸う人」=「喫煙者」vs「タバコを吸わない人」=「嫌煙家」
という図式って、ホントに成り立ってんの?、ということです。もしかしたら「嫌煙家」ではない「タバコを吸わない人」の方がイメージしやすいかもしれないですね。でも、だったら、その逆もそういうことなんですよ。わかって(笑)
ネット上も含め、「タバコ問題」バトルで、どうしても「喫煙者」の方の意見や理論の説得力が劣っているのは、つまりモチベーションの違い。「タバコ問題」を何よりも高いプライオリティで考えている「嫌煙家」という方はおそらく一定数以上いるだろうことに比べて、タバコを吸うことが自分自身のアイデンティティの中でトップにある方というのは・・・いないこともないだろうけど・・・圧倒的に少ないと思います。だから議論は噛み合わないし、分の悪い「喫煙者」はストレス感じてタバコの量が増えて、煙を感知した「嫌煙家」のストレスがさらにたまる・・・と(笑)。ああ、バカバカしい。そして人間らしい(^^;
太田 法律で禁じるんだったら、それに従いますし、タバコなんて僕にとって大したことじゃないんです。でも楽しいですよ。タバコを吸うのは楽しいけど、それほど重要な問題じゃないんでね―95p
「タバコ問題」を解決する特効薬は、タバコを法律で禁止すること。これに尽きるんじゃないでしょうか。ぼくも法律で禁止されるんだったら、吸いません・・・いや、少なくとも人目のあるところでは吸いません(笑) いろんな理由でタバコが嫌いな人も、「喫煙者」の個別撃破をするよりも、その方が効果的だと思うでしょ。だのに、なぜだか神奈川県の条例の話みたいに「吸うな」という方向での規制ばかりが提案されるという・・・なんだそりゃ。「吸わせない」のにもっとも効果的なのは「売らない/売っちゃいけない/吸ったら逮捕される」ということなのは、ちょっと考えりゃわかりそうなもんなのに、神奈川県内のタバコ販売を規制するという話にはならずに、「どこでもいつでもとにかく吸っちゃ駄目」っていう極端な意見を巡って喧々諤々・・・って、みんなアホなんですか、いやマジで! タスポなんつうのもバカバカしいことこの上ないですな。だって「未成年者が自動販売機で手軽にタバコを購入する」ことが問題なんであれば、これまた解決方法は簡単。タバコの自販機をなくせばいいじゃんか。現にタスポを持っていない、端から作る気もサラサラないぼくはコンビニやキオスク、タバコ屋さんを利用していて、何にも困っていないもん。いらねーよ、タバコの自販機なんて、と、「タバコを1日1箱吸う人」であるぼくだってそう思っているんだから、ホントのホントにいらないんだよ。“誰”にとって必要なんですかねえ、タバコの自販機???
奥仲 そう、太田さんがおっしゃるように、タバコを法律で禁じるなんてできっこないんです。やめられない。結局はお金の問題なんです。税金です。―118p
タバコを1箱1000円にしようなんて話もありますが、それに賛成する国民っていう奴ががいるのが信じられないっす。もし、その人が消費税の値上げにも大賛成、なんだったら、わからなくもないですけどねえ。でも積極的に全面的に税金の値上げに賛成する民なんていうのは、人類史上の不思議というか奇跡というか・・・(笑)、古今東西の為政者にとっては“神様”みたいな人たちですな。ちょっと嫌味ったらしい文章を書きましたけど、いろんな理由でタバコが嫌いな人が国に求めることは「タバコを法律で禁止」することであって、タバコの税率を上げることじゃないでしょーに。税率上げれば上げるほど、国にとってタバコが大事な税収元になっちゃって、「タバコ根絶」なんて先送りの先送りにされちゃいますぜ。
いつも思うんだけど、「タバコ吸わない人」と「タバコ吸う人」が当事者同士でバトル(言い合い)してるのって(つい先日も近所の公共施設で目撃しました。一応「いい加減にしなさい」と怒鳴ってやりましたw)、ものごとの本質とは明後日の方向で、ただただ“普通の人”同士がいがみあわされているのかなあって感じて、すごく悲しいんですよね。
奥仲 (前略)今まで出版された禁煙本も何冊か読みましたが、宗教本を読んでいるみたいでなんの説得力もないんですよ。なんとかして相手をだまくらかして、自分の世界へ道連れにして、洗脳してタバコを吸わせないという本ばっかりなんですね。―168p
そういえば、ぼくも「禁煙セラピー」という本を自発的に購入したことあります。いやあ、“おもしろい”本だなあ、と思って何度も読み返しました・・・タバコ吸いながら(笑) 結局、それ書いたアラン・カーさんだったかな、その人って同じ体裁でダイエット本とか禁酒本とか書いてんだよね。自分のあみ出した「洗脳方法」でベストセラーっすか。「タバコ問題」なんて関係ねーじゃんか! そのプロセスでタバコやめられて、酒やめられて、ダイエットできるんならば、ついでにセックスやオナニーや労働なんかもやめさせられるかも・・・オウムと何が違うんだか。
税収だけじゃなく、こういう「禁煙ビジネス」って世界中でどんくらい収益上げてるんだろうね? ついでにいえばエコなんかもそうだけど、“良心的”な人々から金巻き上げるのって気持ちいーんだろうな、脳内麻薬がドバドバでちゃうくらいに(^^;
ぼくは、んなことに関わりたくないから、一服してクールダウンしようっと。
まあ、まだまだいろいろ思うことありますが、とりあえず今回はここまで。いやあ、いい本だった。
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