ぼくに物心がついたときに住んでいた中野区沼袋のマンション4Fのベランダからの眺めのなかで、イチバン目立っていたのは当時建設中だった中野サンプラザだった。未就学児童だったぼくにとってマンションでもデパートでもない白い三角形の高層ビルは、なんだかよくわからない建物でもあったけれど、毎日目に入っていたせいか、まだまだ世の中のことも人間のことも(そして、自分のことも)よくわかんなかった時期の(もっとも今だって少~しマシになった(?)くらいなのだが・・・)、懐かしいような面映いような思い出の中の一つの象徴として、当時から今に至るまで常にひっかかっている存在だったりする。
その中野サンプラザで、なぜか昨年からぼくの心の“断片化されたファイル”のすき間の“空き領域”をピタッピタッと埋めるかのように浸透していってるクレイジーケンバンドがライブをすることになった・・・そりゃ、生命保険を担保にしてでも・・・不謹慎か・・・北の二代目が宣戦布告したって・・・なお不謹慎か・・・女房を質に入れてでも・・・恥ずかしながら独身ですが・・・行かなきゃ、だ!
まだ「CRAZY KEN BAND GALAXY TOUR 2K6」は、続いていくので、セットリストは書かないようにしますが(お知りになりたい方、んなこたどうだっていいんだよって方は、CKBD Annexさんをご参照下さい^^)、結論からいうと、大満足、大成功、そしてサイコーッ、でした(^^)
PA卓2列前のどセンターという良席だからか、サンプラという会場の特性なのか、今ツアーPA陣の卓越した技術のおかげか、CKBアレンジの更なる向上の賜物か、わかりませんが、とにかく音がすーーーーーーっごい、良かったです。オープニングから数曲は踊るどころか身体を揺らすことも忘れて、ただただボーッと、音にきき入っていましたよ。特にベースとバスドラの音がこんなに重量感を失わないままカッチリ輪郭をキープしつつきこえたライブは、はじめてかもしれません。欲の上に欲を重ねてあえて書かせてもらえれば、全体のボリュームレベルをあと数度上げていただければ、なお最高、ではありましたけれど、なんつったってボーカルをクリアにきかせなければ何もかも台無しなCKBライブですから、そんなのはぼくの我侭でしかないっすよね(^^;
そして、そんな感じで全身に電流をビビッとさせながら直立不動でこのライブを楽しむことになるのかな、それも悪くないな、と思っていたのも束の間、新旧取り混ぜたナイスな選曲とゆるめなMCに心が次第にもみほぐされてしまい、気付けば、音がどーだとか、演奏がどーだとか、んな腐れ評論家みてえな戯言は消し飛んで、興奮しまくりのアゲアゲ、アッパー状態になっちゃいましたから・・・うーん、不思議・・・つーか、やっぱりCKB大好き!
そんでもって、CKBライブ初体験以来毎回思い出される原リョウというハードボイルド作家のエッセイの一節が、やっぱり今回も某超有名曲(・・・曲名書いてんのと変わんねえってば!!)のギターソロ明けの決めフレーズ部分でCKがのっさんのギターに向かってシャウトしたときに震えと共に蘇ったので、引用させていただきます。
私自身はその(アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ・・・引用者・注)の一九六三年の福岡公演を、十六才のときに“男たちの音楽”という第一印象で聴いた。
男たちの音楽――あいまいな表現で、彼らの音楽の解説にはなっていない。私はそれまで音楽全体を優しくて、やや女性的な感じの趣味としてとらえていたのだがメッセンジャーズのジャズは、もし能力があって可能なら、彼らと同じ職業を選びたいと改心させるほどの、外見上の魅力をも兼ね備えた男性的な音楽であった from:『ミステリオーソ』
異論反論大いにあるでしょうけれど、ぼくがCKBを大好きな理由の一つにこの「男たちの音楽」というキーワードは欠かせません。ぼく自身はアニメやテレビ、歌謡曲などの音楽を、それこそ上記サンプラ建設風景を眺めてていた時期からレコードでききまくっていたくらいの音楽好きだったりしたんですが、20才くらいのときにパンクロックバンドをやっていた友人がボソッといった「オレ、パンク聴くまで音楽なんて嫌いだったから」って一言も忘れ難く心に残っていて、それとも通じる感覚っつーのかな、小中学校の授業の一コマにある「音楽」とは全く違う音楽の魅力を、CKBに感じていて、それをあえて言葉で表現すると「男たちの音楽」ということ、になるのかなあって感じ。
ついでにもう一丁。このブログのタイトルにも勝手にフレーズをお借りしている植草甚一氏のエッセイからの引用・・・と思って部屋の中、その本を探したけど・・・見つからないので・・・うろ憶えのまま、適当に書いちゃいますと(^^;
“いいジャズをきくと、落ち着いたりまったりしたくならずに、興奮して、外に出たり、バリバリ仕事をしたくなったりする”
・・・いやいや、植草ファンからボコにされるだろう、適当にも程がある、いい加減な引用ですが、ぼくが感じるに、そういうことを植草氏が書いていて、そこに書かれた「ジャズ」という単語を「CKB」に置き換えても、それはあるよなあと思った、とそれだけのことなんですけどね。
今のぼくにとってクレイジーケンバンドは、カウンセラーであると共にトランキライザーでもある、とかそんなことをいいたいんでしょう、ぼくは、おそらく。そういえば「誰かトランキのかわりになるよな奴がいたら教えてくれよ」なんてラインをPANTAがうたってたりしたなあ・・・余談ですか・・・そうですよね。
いくら最高のライブに行った夜の興奮冷めやらぬ感想・・・にしたって滅茶苦茶だよ、なこの文章を、読み返して推敲したくもなる数ミリの良識をどっかに押しやって、このままアップしちゃいます。アドリブだ。ガチンコだ。そんでもってオイラは所詮こんなもんだ。あーもう、とにかく今夜はうれしかったのだ!!
「SUKIYAKI」それは越えらんねえ 前を向かなきゃ歩けねえ//「SUKIYAKI」それは越えらんねえ 涙がこぼれたってイイネ! from:Shock HAWAIIAN Shock 『GALAXY』